ウォークマン NW-ZX2 レビュー(音質評価編)

製品レビュー

2015年2月13日に発売されたウォークマンのハイエンドモデル「NW-ZX2」。前回の記事では操作面に関するレビューを書いたので、今度は音質面に関するレビューを書きます。

評価環境

評価では前モデルのNW-ZX1(以下、ZX1と表記)と同じイヤホンを使って聴き比べを行います。この記事の作成時点で、機器のエージングも筆者の耳のエージングも終わっていません。

また、レビューなので当然個人の主観が入ってきます。また、すべてClearAudio+を有効にした状態でレビューをしています。

  • イヤホン: JH Audio – Roxanne Universal Fit
  • プレイヤー:SONY ウォークマン NW-ZX1/ZX2

音質評価(MP3)

44.1kHz/16ビットの、ロッシー音源による音質評価になります。

KOTOKO:Re-sublimity

アニメ「神無月の巫女」というタイトルのオープニングテーマになります。ちなみに、筆者はアニメ本編を見たことありません。音の作りは、コンピュータで打ち込んだ曲をバックに、ボーカルが歌うという、よくある構成です。

ZX1ではアタックが効いた傾向であるのに対し、ZX2では一歩引いた音の傾向になります。いずれもClearAudio+を有効にして聴いていますが、個人的にZX1と大差が出たようには感じませんでした。

これは他の曲にも当てはまることかもしれませんが、コンピュータの打ち込みの曲は、もともと音の伸びが限定的であるため、それほど音質向上のメリットを感じなかったのかもしれません。

ちなみに、ClearAudio+をオフにすると、ロッシーの音源の悪さが際立って、聴く気を失わせます。

音質評価(CD音質)

44.1kHz/16ビットの、ロスレス音源による音質評価になります。

クリスティアン・ティーレマン&ミュンヘンフィル:ブラームス 交響曲 第2番 第4楽章

静かな出だしから入り、一気に盛り上がって終わるという曲になります。オーケストラ音楽でありがちな、最後にジャーンと音を伸ばして終わります。多くの人がオーケストラの曲はこうだというのをそのまま表現している曲になります。

こちらもMP3の時と同様に、ZX2では一歩引いた傾向の音になります。筆者自身はオーケストラをよく聴きに行くのですが、ZX2のほうがより実演に近い傾向の音になっていると感じています。ClearAudio+で音を補完しているので、ハイレゾだから音がよくないという不満も生みません。

音は芯が太いZX1と比べ、ZX2では繊細さが感じされる傾向にあり、特にヴァイオリンではその傾向が際立ちます。

音質評価(ハイレゾ音質)

96kHz/24ビットの、ロスレス音源による音質評価になります。

ダニエル・バレンボイム&シカゴ交響楽団:サン=サーンス 交響曲 第3番「オルガン付き」 第2楽章 第2部

この曲は、オルガンという名前が付いている通り、オーケストラとオルガンが協奏します。低域から広域まで幅広い音が鳴るため、しばしばオーディオ機器のベンチマークとして使われます。

他の傾向と変わらず、ZX2ではZX1よりも一歩引いた傾向の音になります。ハイレゾで解像度が上がった分、音はより柔らかで耳障りの良い音になります。音のアタックの強さがZX1より落ち着き、より上品な仕上がりに聴こえます。

音質評価総括

ZX2は確かにいい音であることは間違いないのですが、ZX1とくらべて一歩引いた傾向になるため、アタックが効いた音を聴きたい方には物足りなく感じるかもしれません。筆者としては、アタックの聴いた音が好みならZX1、繊細な音が好みならZX2という印象を持ちました。

この点については、アタックが効いた音が聴きたい場合に音量を大きくしすぎて、耳の負担がかえって増えてしまう可能性があるのではと思います。

筆者は、数々のオーディオプレイヤーを試した経験から、打ち込み系の曲は再生機器のスペックを上げても、上げた分だけの恩恵はあまりないように感じています。アンプを通さない楽器や人の声を使った曲の音質向上ははっきりと判るので、その手のジャンルを聴く人は、ZX2に買い換えることで満足度は上がると思われます。

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