筆者のPCオーディオ環境はそれほど豪華ではありませんが、PCで音楽を再生していた経験はそれなりに長いという自負はあります。そんな経験から、PCオーディオをやる上でこれがあると便利というアプリをチョイスしました。できるだけ無料で使えるアプリという基準で選定しています。
前編では「再生アプリ」「音楽CD取り込みアプリ」を紹介します。それぞれから自分にあった1つのアプリを見つけられえばOKだと思います。
再生アプリ
今回は、オーディオ要素を重視してハイレゾやASIOに対応しているアプリを選定しました。
foobar2000
foobar2000は、筆者が最も愛用している再生アプリです。ライブラリの管理機能は弱めではありますが、それを補う程プラグインが充実しています。プラグインを足せば、いくらでも機能追加が出来てしまうので、カスタマイズ性が最も高いアプリと言えます。
foobar2000では、基本的なインターフェイスが英語ですが、操作が単純なので特に迷うことはないと思われます。
foobar2000に関するURL
- foobar2000本体:foobar2000 (日本語化)
- WASAPI対応化させるプラインイン:WASAPI output support
- ASIO対応化させるプラグイン:ASIO support (日本語化)
- DSD対応化させるプラグイン:Super Audio CD Decoder (日本語化)
- DSDネイティブ再生の解説(DSD Direct):DSDネイティブ再生(foobar2000; SACD Decoder 0.9.2-0.9.6)
- DSDネイティブ再生の解説(DoP):DSDネイティブ再生(foobar2000; SACD Decoder 1.0.0以降)
- 画像例のインターフェイスにするプラグイン:Columns UI (日本語化)
- foobar2000の情報をまとめたWiki:foobar2000 Wiki
AIMP
AIMPは、最初から基本的な機能がオールインワンで組み込まれた再生アプリです。最初から日本語表示に対応しています。
再生面では、ASIOやWASAPI排他モードにも対応しており、PCオーディオとしての基本機能は有しています。DSPによるミキシングなどの機能がついているため、自分の好みに音質を調整できるのがAIMPの強みでもあります。ただ、DSD再生は本記事作成時点でPCM変換のみとなっており、DSDネイティブ再生はできないのでご注意ください。
AIMPもfoobar2000ほどではありませんが、プラグインによる機能追加に対応しています。
AIMPに関するURL
- AIMP本体:AIMP
- AIMPの各種プラグイン:AIMP – Plugins
MusicBee
MusicBeeも、最初から基本的な機能がオールインワンで組み込まれた再生アプリです。最初から日本語表示に対応しています。
再生面は、ASIOによる高音質再生が可能です。またプラグインを追加すればニッチですがHDCDのようなフォーマットのスペックを引き出すことも可能です。MusicBeeもDSD再生には対応しているものの、88.2kHz/24bitのリニアPCMに変換し出力されるため、DSDネイティブ再生はできません。
また、CDの取り込みでエラー訂正を行うセキュア取り込みや、比較的CDDBの情報が正確なGracenoteからの情報取得にも対応しているため、取り込み情報の精度を上げる事ができます。
MusicBeeに関するURL
MusicBee本体:MusicBee – The Ultimate Music Manager and Player
MusicBeeの各種プラグイン:MusicBee: Music Bee Add-ons
音楽CD取り込みアプリ
音楽CD取り込みアプリはで、音楽CDを音楽ファイルに変換します。今回は、できるだけ高音質に音楽を取り込めるアプリを選定しました。
iTunes
iTunesについは、有名すぎて説明の必要はないかもしれません。iTunesを使うことで、GracenoteからのCDDB取得からカバー画像などの取得をワンストップで行うことができます。また、MP3より音質が良いAACへのエンコードや、音質のロスがないApple Lossless Audio Codec(ALAC)のエンコードが可能になります。
世間では、ロスがないファイル形式はALACとFLACがメジャーですが、筆者の経験ではタグの扱いやすさはALACの方が良く、ライブラリ管理の観点からCDはiTunesを使ってALACで取り込む事が多いです。
iTunesに関するURL
iTunes本体:Apple: iTunes
Exact Audio Copy
Exact Audio Copy(以下、EACと表記)はCD取り込みソフトの古参中の古参のアプリになります。その歴史は1998年からになります。
EACの強みは、その名前にもある通り正確な音楽CDの取り込みにあります。音楽CDはセクターごとの位置情報がないため、ドライブによりCDのトラックを読み込むズレが生じることがあります。通常、そのズレによって困ることは殆どありませんが、1サンプルのズレも許したくないという完璧主義な方の願望を叶えてくれます。
EACでwavファイル以外の取り込みをする場合は、外部エンコーダーを用意する必要があります。エンコーダーのパラメータの設定知識が必要になるため、PCに詳しくない方にはお薦めしません。
EACに関するURL
- EAC本体:Exact Audio Copy (日本語化)
- オフセットに関する解説:MUSIC PC: オフセットの真実
- EACの使い方に関する記事:ハウツーIT: Exact Audio Copy
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