iTunesとの親和性とデータ移行を意識したトータルiPhone/iPad管理アプリ「AnyTrans」のご紹介 第2弾

製品レビュー

iTunesとの親和性とデータ移行を意識したトータルiPhone/iPad管理アプリ「AnyTrans」のご紹介第2弾です。前回の第1弾はこちらになります。

はじめに

レビューのポリシー

通常、製品のレビューは原稿料をいただいた上で書いていますが、原稿料をいただきつつも以下のポリシーでレビューを行っています。

  1. 製品の特徴や特長を知ってもらう
  2. 製品の良くないところを知ってもらう
  3. どんな人に製品が向いているかを知ってもらう

筆者は、特に大事なのは製品の良くないところを知ってもらうことだと考えています。この点を受け入れてから製品を利用することで、最終的に満足度が向上すると確信しています。レビューは公平であるべきです。今回もそのようなポリシーでレビューを行います。

筆者の動作確認環境

筆者の動作確認環境は、以下の通りになります。実際のご利用のバージョンによって、レビューで紹介した動作内容が得られない場合があります。

  • iOS端末:iPhone 7 SIMフリー(iOSバージョン:10.2)、iPad mini 4 SIMフリー(iOSバージョン:10.2)
  • PC端末:Windows 10 Pro 64bit
  • AnyTransハージョン:5.3.1 (※参考:第1弾は5.1.0)

第2弾を書くに至るきっかけ

AnyTransの開発元であるiMobie社のご厚意により、第2弾を書くに至りました。第1弾のレビューを書いた時に、担当の方の対応が非常に良く、また製品自体も優れていると感じていました。そのようなことを総合して、また書こうと思った次第です。ちなみに、第1弾のレビューはこちらの記事になります。

AnyTransの概要

AnyTransは、iPhoneやiPadのようなiOS端末を管理するためのPCアプリになります。この手のアプリとしては珍しく、iTunesデータベースとの同期を意識して作られており「iTunesも使いつつiOS端末も使いたい。だけどiTunesの同期機能は使いにくい。」という方にも受け入れやすい製品になっています。

通常、この手のアプリは写真やメディアファイルだけの管理に特化したものが多いですが、AnyTransではiOS端末で扱えるコンテンツを一通り扱うことができます。扱えるコンテンツが多いということは、その分項目が多く初心者が扱いづらい部分もあります。そう書きつつも、当サイト利用者はPCを人並み以上に使える方々が主になるため、この点は障壁にならないかと思われます。

レビュー第2弾、クイックスタートからの機能特集

初心者にとって扱いづらい部分があるとはいえ、扱いやすいに越したことはありません。そこで第2弾のレビューでは、前回のレビューでは取り上げてこなかったクイックスタートから選べる機能を紹介していきます。使い勝手という観点では、クイックスタートの方が初心者の方には扱いやすいと思われます。一部前回と被る内容もありますが、紹介記事としての統一性を確保するためご理解いただければと思います。

AnyTrans クイックスタート画面

クイックスタート画面 “やること”でメニューが分類されている

端末買い替え時に強み。端末間のデータ転送機能「データをクローン」「データをマージ」「デバイスへ」

AnyTransで特に強いのが、端末間のデータ転送機能にあります。その機能が「データをクローン」「データをマージ」「デバイスへ」になります。操作方法はいずれも同じで、転送したいデータの種類を選択して実行するだけになります。ちなみに、データの転送は異なる機種間でも行うことができます。

機能の名前だけだと実際の動きが判りづらいため、デバイスAからデバイスBにデータを転送する例をご紹介します。各デバイスに以下のデータが入っていると仮定します。”yz”が両端末に共通で入っているデータになります。

デバイスの中身:

デバイス デバイスの中にあるデータ
デバイスA abcdyz
デバイスB efghyz

上記のデータ内容を踏まえ、各機能を使ってデバイスAからデバイスBにデータを移動したのが次の表になります。

デバイスAからデバイスBに対し、以下の機能を使った場合のデバイスB側の中身:

機能 最終的なデバイスB側のデータ 動作説明
デバイスをクローン abcdyz デバイスAの中身だけ残る
デバイスをマージ abcdefghyz デバイスAとBの中身が残る(データ重複なし)
デバイスへ abcdefghyyzz デバイスAとBの中身が残る(データ重複あり)

実用の観点からは、データを重複させる必要が生じることは稀なので、使うとしたら「デバイスをクローン」か「デバイスをマージ」になると思われます。

実際に使う時のイメージは、以下の通りになります。例では「デバイスをマージ」を使った時の画面になりますが、「デバイスをクローン」や「デバイスへ」でもほぼ同じ画面構成になります。

AnyTrans デバイスをマージ1

デバイスをマージの一番最初の画面。移動デバイスの確認から始まる。

AnyTrans デバイスをマージ2

デバイスをマージの次の画面。転送するデータのカテゴリを選択する。あとは放置するのみ。

データを根こそぎ転送する処理になるため、データ転送にはそれなりの時間がかかります。あとは、コーヒーを飲みながらゆっくりしていればOKです。

とりあえず使いたいファイルを追加するだけ「コンテンツを追加」

iTunesや他社アプリでは、コンテンツを追加するときにカテゴリ(音楽や動画といった)に移動し、そこからファイルの追加操作をする必要があります。AnyTransの「コンテンツを追加」では、この作業が簡単にできるようになっています。追加したいファイルを指定するだけで、自動的にAnyTrans側で適切な追加が行われます。しかも、iOS端末と互換性がないファイル形式は勝手にファイル変換してくれます。

AnyTrans コンテンツの追加

AnyTrans コンテンツの追加。追加するファイルを選択した後の画面。複数まとめて追加ができる。

全部一気にエクスポートするなら「パソコンへ」

前回のレビューでは、個別カテゴリをメインに説明しました。個別カテゴリからのエクスポート機能は、ファイル単位の詳細なエクスポートができるという反面、全部一気にエクスポートするには不利になります。この機能を使えば、何も考えずに全部自動でエクスポートしてくれます。使い方は簡単、PCに転送したいカテゴリと出力先を選んで次に進むだけです。

AnyTrans パソコンへ

PCに転送するカテゴリと出力先を選んだら、あとは全自動でファイルがエクスポートされる。

より安全に。USBメモリ機能「ファストドライブ」

前回のレビュー時から機能に更新があったのが、USBメモリ機能の「ファストドライブ」になります。AnyTransでは他社製品と異なり、データの保存箇所をシステムファイルの領域とは別の部分にしているとのことです。これにより、システムデータの破損などのリスクを回避できるだけ、より安全に利用することができるようになりました。

実際に試したところ、579MBのファイルが30秒で転送できました。19MB/sの速度になるため、USBメモリとしては十分実用に耐えうる速度になります。ファイルはドラッグ&ドロップで追加やエクスポートすることができます。

AnyTrans ファストドライブ

ファイルはドラッグ&ドロップで追加とエクスポートが可能。大きいファイルの転送は進捗バーが表示される。PCへのエクスポートは、ファイルを右クリックして「PCへ」でもOK。

iTunesのライブラリが壊れても大丈夫「iTunesへ」

通常iTunesだけでiOS端末を管理すると、データの同期は「iTunes→iOS端末」と一方向になります。この同期方向だと、iTunes側のライブラリが壊れた時にこまることになります。

例えばPCがいきなり故障した場合、iTunesライブラリがバックアップされているとは限りません。新しいPCを買ったらiTunesライブラリの作り直しの手間も生じ、さらにはiTunesからの同期でiOS端末のデータが意図しない構成になってしまうかもしれません。

AnyTransでは、「iOS端末→iTunes」の同期が可能になるため、iOS端末側からiTunesのライブラリに同期をかけることにより、データの構成に一貫性を保つことができます。

AnyTrans iTunesへ

使い方は簡単。iTunesに同期させるカテゴリを選んで放置するだけ。

バージョン5.3.0から利用可能なテーマ選択

AnyTransはバージョン5.3.0からテーマの選択ができるようになりました。これまでは白を基調としたデザインのみしか使えませんでしたが、グレーやブラック、ピンクのテーマが使えるようになりました。筆者はPCを長時間使うため、光の刺激が強めになる白を基調としたテーマは嫌う傾向にあります。ご自身の目の調子や気分にあったテーマを選べるようになるのは、見えない作業効率向上に寄与します。

AnyTrans テーマの選択

AnyTrans 5.3.0からテーマが選択できるようになった。テーマは4種類。

AnyTransは、初心者でも使いやすくなるような配慮がされたアプリだった

今回は、クイックスタートメニューに注力して一通りの機能を解説しました。第1段では機能の多さ故に「少々中級者向けかな」と思っていましたが、クイックスタートを活用すれば初心者でも十分に使えるものであることがわかりました。

現時点では、デフォルトでファイルの出力場所が決められていたりとある程度制限があります。この点については筆者より開発元にフィードバックをする予定です。おそらく、今後さらに使いやすいアプリになっていくものと思います。

AnyTransの詳細情報

動作環境

OS:Windows 10, 8.1, 8, 7, Vista, XP (64ビット & 32ビットの両方)
Mac OS:macOS Sierra / Mac OS 10.11 / 10.10 / 10.9 / 10.8
iOS:iOS 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 5
※iOS 8.3以降のOSでは、iOSの仕様変更により「App」機能をご利用いただけません。
(iOSは8.3以降ファイルマネージャアプリからAppsディレクトリにアクセスできない仕様に変更になりました)
モニター:1024×768 ディスプレイ以上
CPU:Pentium IV 2.4 GHz 以上
RAM:512MB以上
グラフィックカード(ビデオカード):3Dグラフィックアクセラレーション機能、64MB以上
サウンドカード:Windows(Machintosh)と互換性のあるサウンドカード
ハードディスク:100 MB以上の空き容量
その他:iTunes 9.0以上、iTunesモバイルデバイス ドライバーがインストールされていること

対応機種

iPhoneシリーズ:iPhone 3G / 3GS, iPhone 4 / 4s, iPhone 5 / 5c/ 5s, iPhone 6 / 6plus, iPhone 7 / 7 Plus
iPadシリーズ:iPad, iPad 2, 新型iPad, iPad 4, iPad mini, iPad Mini(Restinaディスプレイモデル), iPad Air
iPod shuffleシリーズ:iPod Shuffle 1, iPod Shuffle 2, iPod Shuffle 3, iPod Shuffle 4
iPod miniシリーズ:iPod Mini 1, iPod Mini 2
iPod nanoシリーズ:iPod Nano 1, iPod Nano 2, iPod Nano 3, iPod Nano 4, iPod Nano 5, iPod Nano 6, iPod nano 7
iPod classicシリーズ:iPod Classic 4, iPod Classic 5, iPod Classic 6
iPod touchシリーズ:iPod touch 3, iPod touch 4, iPod touch 5

対応形式

ムービー:MP4, M4A, MOV, WMV, AVI, FLV
ミュージック:MP3, M4A, MP4B, WMA, WAV
ミュージックビデオ:MP4, M4V, MOV, WMV, AVI
ポッドキャスト:MP3, M4A, M4V
着信音: MP3, M4A, M4R, WMA, WAV
テレビ番組:MP4, M4V, MOV, WMV, AVI
オーディオブック:MP3, M4B, MP4A,WMA, WAV
ボイスメモ:MP3, M4A
iTunes U:MP3, MP4, M4V, WMA, WAV
iBook:PDF, EPUB
写真:JPG, PNG, GIF, BMP
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※暗号化されたバックアップの取り扱いはできません。

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