ゲーミングチェア「AKRACING PRO-X」が非常に楽チン、たぶんコスパ最強

製品レビュー

2016年10月20日作成、2017年7月9日・2018年8月5日追記

筆者は以前Amazonプライムデーに参加して「AKRACING PRO-X」というゲーミングチェアを購入しました(当時の経験を基に書いた攻略記事はこちら)。筆者はPCでゲームはしませんが、結果的に座り心地が良いオフィスチェアを探していたらこの製品に行き着きました。

実際に使ってみて「これはお薦めできるな」と思ったことと、3ヶ月程度使い込んで製品の性格がよくわかったので、レビュー記事を起こしてみようと思いました。

筆者にとってのイスの選択基準

レビューを開始する前に、まずはこの基準を明確にしておかないと、読者の方にはどうして良いと思っているかが伝わらないと思います。筆者の生活はとにかくPCに向かう時間が長いため、PC利用時に疲れないという事が最優先でした。それを含め、以下を選択基準として製品を探してみました。

  • パソコン作業を長時間してても疲れにくいこと(よりかかり姿勢になっても違和感ないこと)
  • 勉強してても疲れにくいこと(前傾姿勢になっても違和感ないこと)
  • さらに椅子の上で小休止できることが望ましい

この後のレビューは、原則的に上記の基準に沿っていきます。

探してみた結果残った候補

筆者の環境は繁華街から近く、色々と実物を試す機会に恵まれました。店舗に行っては座ったりを繰り返してわかったのですが、長時間座っていても疲れにくい椅子を選定するというのは困難を要するものでした。環境の制約上、店舗では長時間座って確かめることができません。

さらには、椅子の種類が膨大であるため、1つの店舗で全てを試すというのは不可能でした。結果的に何件もお店をはしごして試すことになりました。

最終的に以下の製品が候補としてあがりました。

  1. AKRACINGゲーミングチェア PRO-X
  2. AKRACINGゲーミングチェア NITRO
  3. ハーマンミラー アーロンチェア
  4. 岡村製作所 Baron

3と4の値段は非常に高価な部類になるため、買うとしてもオフィス用品専門の中古ショップから購入する予定でした。結局はコストの観点からAKRACINGのゲーミングチェアにすることにしました。

ちなみに、1と2の違いはゆったりしているかフィット感があるかになります。太め体型の人は2の選択肢は厳しいと思いますが、痩せ型の人は好みで選べるかと思います。

それでも購入に踏み切れなかった

候補が決まったわけですが、AKRACING製品の購入に踏み切れませんでした。というのも、ゲーミングチェアは寄りかかって長時間ゲームをすることを前提にしているため、長時間を勉強して前傾姿勢になっているときの体への負荷が全くの未知数だったからです。予算の制約上高すぎるものを買いたくなかったため、思い切って「AKRACINGゲーミングチェア PRO-X」を買うことにしました。

肝心の使い勝手は

良い点

Amazonのレビューで製品評価がかなり良く、座り心地は多くのレビュワーが指摘している通り、絶賛に値するものがあります。特に筆者のようなPCを長時間使う者は、日常的に前かがみの姿勢になるクセがついています。このような人たちの身体のクセに特化しているような作りになっていると感じました。これから詳細について書いていきます。

体重をによる負荷を適度に分散する構造

筆者が一番求めていたのはもちろんこの部分になります。以前安いイスを使っていた時は体重がお尻のあたりに一点集中し、長時間座っていると痛くなることがしばしばでした。このイスはシートが厚いせいか、体重をすべて受け止め、負荷を全体に分散させるような構造になっています。

座り心地が前より格段に良くなり、今まで以上にPCに長時間向かうことができるようになったため、ますます身体の凝りがたまるという逆転現象が発生してしまいました。

また、この構造のおかげで、購入前に一番気になっていた「時間を勉強して前傾姿勢になっているときの体への負荷」が結果として大幅に緩和できました。

腰を支えるランパーサポート

次に筆者が求めていたのがこの部分です。イスに腰を支えるためのクッションが付いています。イスに深く腰をかけると腰がクッションにあたり、腰を支えるようになっています。ランパーサポートがないイスの場合、姿勢が崩れてくると、腰が宙に浮くような体勢になりますが。このイスではそのような事態を回避し、クッションで腰の負荷を最小限に留めることが可能になります。

イスの内側

頭の付近にあるクッションがヘッドレスト、腰の付近にあるクッションがアンバーサポート

頭を付けやすいヘッドレスト

背もたれの上に枕のようなクッションが付いています。筆者のような前かがみ姿勢(=猫背)の人間は、首が少し前に出るようなクセがあるため、平たい背もたれにそのまま寄りかかると頭が余計に後ろに倒れる感覚になります。これは快適ではありません。しかしながら、ヘッドレストがあるお陰で、背もたれによりかかると程よい位置で頭が止まり、快適さを確保できます。

180度のリクライニング

このイスでは背もたれを真っ平らになるまで倒す事ができるので、そのまま寝る事ができます。寝た時のイスの安定感について、特に不安は感じられませんでした。

イスを180度倒したところ

ほぼ180度倒せる

人によっては足置き(オットマン)が欲しくなる方がいるかもしれませんが、筆者は問題ありませんでした。足置きは別売りとなっているので、必要に応じて購入すると良いかと思われます。筆者はスペースの都合から足置きを購入していないため、こちらを組み合わせた場合のレビューはできません。

悪い点

この製品は、シートにPUレザーを使っています。PUは「ポリウレタン樹脂」の略であることから、素材は本革ではありません。ポリウレタン樹脂は、その特性から水を通しません。液体をこぼした場合に内部への影響がないという反面、汗をかいたとしてもそれを全く吸収しないので、夏のベタツキ感は大きいものとなります。

そのため、夏場に地肌をシートにつける格好での利用はオススメできず、綿などある程度吸湿性のある繊維を使った衣類を着用しての使用が望ましいです。

また、中の素材が熱を逃しにくいものになるため、暑さに弱い汗かきの方にはあまりお薦めできません。といっても、困るのは夏くらいです。他のシーズンは問題ありませんでした。

懸念事項は?

懸念事項は1つだけです。シートの素材についてです。

シートに使われているポリウレタン樹脂は、水分に触れると早くて2から3年程度で表面がボロボロになってくると言われています。これだけは実際に使ってみないとわかりませんが、長期的な耐久度という観点では疑問が残ります。座り心地については、2倍以上高い製品にも勝るほどですので、素材がコストに反映されるとも言えるでしょう。

追記:購入してから2年経過しましたが、ボロボロになる気配すらありません。

間違いなくおすすめできる

色々と悪い点や懸念事項も書いてきましたが、トータルの結論では間違いなくおすすめできる製品だと断言できます。他所のレビューでは「イスの上で生活してみたくなる」という内容を見かけましたが、あれは大げさではないなと感じました。

椅子のジャンル全体で見ると、この製品の価格ですら割高に感じるかもしれませんが、「座り心地が良く、PC業務に特化した椅子」としては値段と性能のバランスは非常に良いと言えるでしょう。こう書くのは、日常的に使うものは少しでも良いものであるほうが良いという筆者の持論を反映させたものでもあります。

製品がゲーミングチェアというだけありデザインが万人向けではないと思われるので、デザインを受け入れられる事ができたらという前提にはなりますが。

あれから1年間使い続けた感想

本製品を使い始めてから約1年が経ちました。1年を通して「AKRACINGゲーミングチェア PRO-X」を使ってみた感想も書きたいと思います。

製品の耐久度

1年使ってみましたが、さすがに1年では大きく耐久性が低下したという感じは見られませんでした。

座席部分については、毎日長時間座って筆者のお尻を形状記憶したのか、以前より少しだけ弾力性が落ちたかなと感じています。ですが、製品が大きく劣化したという感じはなく、許容範囲ではあります。

そして、当初の懸念であったPUレザーが加水分解してボロボロになったということは一切ありませんでした。これはもう少し年数が経ってみないと判らないです。

季節ごとの使い勝手

1年使ってみて、製品に関する印象はやはり「春秋冬」「夏」の2グループに分かれます。

春秋冬は、この製品が最も使いやすいと感じる時期になります。特に冬は、ウレタンウォームが熱を持ちやすいという特性上、温かく感じます。ただし、人間は常時汗をかいているものなので、季節に関係なく設置部分が少しは蒸れる感覚というのはあります。

夏は、大量に汗をかく季節なので、やはり快適さが大幅に落ちます。これは1年前の執筆部分の悪い点に書いたことがすべてになります。

1年後の感想まとめ

さすがに1年程度では、製品自体の劣化は微少で問題なく使えています。夏だけ蒸れることについての対策をすれば、快適に使うことができます。

あれから2年間使い続けた感想

2年経過しましたが、特に問題なく使えています。これから大きく劣化しそうだなという雰囲気はありません。

さすがに2年もたつと、PUレザーにシワができます。座っているときにある程度生地が伸びて、それがシワになるようです。ですが、表面がボロボロになるという兆しもなく、特に気になる点ではありません。

耐久度面からも特に問題ないといえるでしょう。


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