iPhone 7を実際に使ってみてのネガティブレビュー

製品レビュー

筆者は発売日にiPhone 7を買うことができました。実際に3日ほど使ってみて、感じたことをレビューにまとめたいと思います。内容は敢えてネガティブです。

2016年9月19日:防水に関する内容を追記しました。

なぜネガティブなレビューを書こうと思ったのか?

毎回のことですが、新しいiPhoneが発売されると世間では好意的なレビューが多く出てきます。新しいiPhoneは旧来のものを改良したものになるため、必然的に以前の製品より良い評価のレビューが出てきます。特に、プロのライターが書く製品レビューは、お金もらいながらレビューをしているという性格上、良い側面がピックアップされるものです。

しかしながら、筆者は今回iPhone 7に買い換えて「ん?」と思ったところがありました。冷静に見ると、世間が熱狂的に飛びつくほど大きな変化があったようには感じられなかったからです。だからこそ筆者としては、iPhone 7をそれほど好意的に捉えていない側として、敢えてレビューを書いてみたいと思いました。

そのため、このレビューは新しくiPhone 7/7 Plusを買おうと思っている方のテンションを大きく削ぐ可能性がありますし、アップル製品が好きな方の気分を害するかも知れません。その前提で本レビューをお読みください。

なぜiPhone 7を買おうと思ったのか?

筆者は、iPhone 7(無印)をオンラインのアップルストアで予約し、アップルストアの実店舗で引き取りました。

筆者はアップル製品が特に好きというわけではなく、単に買い換えたい理由があっただけです。主な理由ですが、

  • 今までiPhone 6(au版)を使っていて、買ってから2年になるところだった。壊れる前に買い換えたいと思った。
    (壊れる前にiPhone 6を中古買取に出すと、高く売れるためです)
  • auの通信料金が高いので、アップルストアからSIMフリー版を入手し、MVNOに移行するつもりだった。
    (筆者の場合はまもなく2年更新のタイミングに当たるところでした)
  • iPhoneの発売日後はしばらく入手困難になる場合があるので、今のうちに入手したかった。

というだけです。

利用者からみたiPhone 7自体の変化

iOSが9から10に上がったことによる、OSによる変化のレビューは他所に譲るとして、本レビューでは純粋にiPhone 7ならではの変化をピックアップしていきます。筆者が考える変化は、以下の通りです。

  • イヤホン端子がなくなった。
  • センターボタンが押しボタン式ではなくなった。
  • FeliCa(おサイフケータイ)搭載(こちらは9月18日時点で使えないので、レビュー不可)
  • 防水・防塵仕様になった。

その他、CPUなどの性能向上はもちろんありますが、以前のiPhoneからの主な変化は上記の通りになると考えています。筆者の使い混み具合が少ないため、実際はもう少しあるかもしれません。

ちなみに、スペック表をよく見ている方や、店頭に実物を見に行った方は気がつくかもしれませんが、ハードウェアの形や厚さは全く変化していないので、従来の電話ケースなどはそのまま使うことができます。

では、ここから変化点を見ていきます。

イヤホン端子がなくなった

今回のiPhone 7/7 Plusで一番話題となっている点です。写真は筆者のiPhone 7を撮影したものです。

iPhone 7のスピーカー面

確かにスピーカーの側面からイヤホン端子がなくなっています。その分なのか、スピーカーがステレオになっています。

そのため、手持ちのコード式のイヤホンを使う場合に付属の「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を組み合わせることになりますが、筆者としてはぶっちゃけアダプタを使うのは面倒だと考えています。このアダプタは常時使うわけではないので、使うたびに毎回着脱するのは面倒ですし、アダプタが小さいのでバッグの中に埋もれて探すことになるんだろうなぁと感じました。

スピーカーはステレオになった分、臨場感は若干増した感じではありますが、わざわざ小型のスピーカーをステレオ化した恩恵は殆どないと感じています。

おそらく、この変化がiPhone 7/7 Plusで音楽を聴く行為を面倒なものにし、最終的にApple Musicの売上を下げることになるのではないだろうかと予想しています。

センターボタンが押しボタン式ではなくなった

この点については批判的な意見も多いものの、FeliCaのレビューが出来ない今、筆者はこの点がiPhone 7の最も革新的な進化だと感じています。旧来のボタンと比べると、機械的な機構がなくなる分、故障に見舞われる確率は低くなるのではないかと考えているためです。

押しボタン式ではないものの、ヒューマンインターフェイスの観点なのか、ボタンに強く触れると本体が振動し、擬似的にボタンが押したような感覚を提供するようになっています。

この振動する仕掛けは、賛否両論があるようですが、筆者は「かなりそれっぽく感じる」というのが正直な感想です。

写真の通り、振動の度合いは3段階から調節できるようになっていて、3が一番振動が強くなります。1で違和感を感じる場合は3を選ぶという使い方になります。

iPhone 7のホームボタン設定

この振動の度合いは、iPhone 7/7 Plusの初回起動時か、設定の「一般」→「ホームボタン」から調整できるようになっています。

防水・防塵仕様になった

世の中では防水性能が主に注目されていますが、防塵も強化されています。その性能はIP67になります。詳しい説明はITmediaさんの「iPhone 7はお風呂で使えるの? 防水・防塵「IP67」の意味を解説」を見ると良いと思います。

筆者は、あまりこの性能をあてにしていないというのが正直なところです。その根拠はアップルの「取り扱いに関する重要な情報」にあります。気になる箇所を引用します。

液体による損傷を防止するため、以下のことは行わないでください:

  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus を付けたまま泳いだり入浴したりする
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus に水圧が強い水や流速が大きい水をかける(たとえば、シャワー、ウォータースキー、ウェイクボード、サーフィン、ジェットスキーなど)
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus をサウナやスチームルームで使う
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus を故意に水に浸す
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus を推奨される温度範囲外または湿度が非常に高い環境で操作する
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus を落とすなど、衝撃を与える
  • iPhone 7 または iPhone 7 Plus を解体する(ネジの取り外しなど)

上記から見て分かる通り、防水になったからといってメーカーが想定する利用シーンに水中が追加されたというわけではない事がわかります。結局は、今まで通りと変わらない利用シーンと解釈できます。

そのため、筆者は今までより防水・防塵性能が少しだけマシになった程度と捉えています。

iPhoneの革新的な進化は終わった

今まで書いたように、iPhoneの大きな変化はこれくらいになるため、現在持っているiPhoneに不満がない人は、特に買い替えなくて良いと考えています。強いて買い替えがお勧めな対象をあげるとすれば、以下の様な方々になるんじゃないかと思います。

  • アップル製品や新製品が好きな人
  • iPhoneでFeliCa(おサイフケータイ)を使いたい人
  • 今のiPhoneの動作のモッサリ感に不満を持っている人
  • 従来のキャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)の通信料金の高さに不満を持っている人(要SIMフリー端末、要MVNOへの移行)
  • 以前買ったiPhoneに適用されていた2年契約の月々割りが切れる人

筆者はiPhone 3GSからiPhoneを使っていますが、過去の進化と直近の進化を比べると、やはり頭打ちになってきたと感じます。これはiPhoneに限らず、スマホ業界全体に言えることなのでしょう。

FaliCaが解禁すれば、さらなる利便性を享受できるでしょうけれども、結局は今までの携帯電話で出来たことがiPhone 7でできるようになったにすぎないため、筆者としては「そこまでiPhone 7を熱狂的になって買うものなのかな?」と思わずにはいられませんでした。

結局は我々がアップルの上手なマーケティングに踊らされているだけなんでしょうね・・・

こうなってくると「ジョブスが生きていたらどう進化したんだろう?」と自ずと思ってきてしまうものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました