格安スマホ(MVNO)ってぶっちゃけどうよ?【前編:導入&料金編】

スマホ関連メモ

格安スマホが本格的に登場してから2年ほどが経ちました。筆者の自宅では「docomoからIIJmioに変えてみた」をきっかけに、今までドコモ、au、ソフトバンクの3社を使っていたのを、最終的にドコモ系回線を使っているIIJmioに集約している真っ最中です。ちょうどIIJmioを使って1年が経ち、MVNOのメリット・デメリットがだいぶはっきりしてきました。

今回の記事は、筆者がMVNO業者としてIIJmioのみを使っている環境で書いたものになるため、実質IIJmioのレビューにもなるということを前提に本記事をお読みください。内容が多いので、このコンテンツは2本立てになります。1本目の今回は導入と料金面に関する内容になります。

使える機種にハードルあり!

MVNOを導入する機種に関するハードルは大きく2つあります。

  • 端末料金
  • 端末機種

端末料金

MVNOでは、原則機種の割賦払いの購入ができないため、まずは端末を一括購入で用意する必要があります。

そもそも一括購入できるほどの余裕がない人は、この時点でMVNOの導入を断念せざるを得なくなってしまいます。

端末機種

MVNO利用できる可能性がある端末は大きく3種類になります。それぞれの端末で制約があります。

  • SIMフリー端端末
  • SIMロック解除した端末
  • SIMロック端末

この3種類に関係なく、とにかく押さえておくべき点は「端末購入前に、MVNOの動作確認機種のページで動作OKになっているか」に尽きます。

SIMフリー端末

SIMフリー端末では、利用する通信会社が想定されていない端末になります。価格が安い傾向にあるのが特徴で、中国台湾メーカーの製品はこれに該当するものが多いです。価格が安いため一部センサーが省かれている場合もあり、一部のゲームが遊べなくなる可能性があるので注意が必要です。

また、端末が対応していない電波周波数帯が存在する場合があるため、通信速度の面で不利になる可能性があります。そのため、SIMフリー端末についても購入前は、MVNOの動作確認機種のページを参照することをお薦めします。

ちなみにSIMフリー版のiPhone 7/7 Plusであれば上記の点は気にしなくても大丈夫です。

SIMロック解除した端末

SIMロック解除した端末とは、今までドコモ版・au版・ソフトバンク版として利用してきて、一定期間の経過後、ショップでSIMフリー化したものを指します。

基本的にこれらの端末では、従来から利用してきた通信会社のMVNOを利用することをお薦めします。例えば、ドコモ版の端末をSIMフリー化した場合はドコモ回線を使ったMVNOを、au版の端末をSIMフリー化した場合はau回線を使ったMVNOを、といった具合になります。

問題はMVNOが存在しないソフトバンクについてです。ソフトバンク端末については、MVNOの動作確認機種のページを参照することをお薦めします。

SIMロック端末

例外は多々ありますが、SIMロックされたままの端末でもMVNOを使える場合があります。例えば、ドコモのスマホでは、ドコモ回線を使ったMVNOをそのまま利用することができます。ただし、テザリングができないなどの制約が生じることがあります。

こちらの場合も、MVNOの動作確認機種のページを参照することをお薦めします。

キャリアメールが使えなくなる

docomo.ne.jpやezweb.ne.jp、softbank.ne.jpといったキャリアメールが使えなくなります。iPhoneユーザーであればicloud.com、Androidユーザーであればgmail.comのようなアドレスを使うことができるため、さほど問題にはならないかと思います。

もしキャリアメールでやり取りしている相手がいる場合、MVNOに変更する前にアドレス変更のお知らせをしておくことが必要になります。MVNOへの変更後に相手にメールを送ると、携帯メール以外の着信拒否に引っかかる場合があるからです。

利用できるまでにひと手間必要

MVNOの場合は、端末にSIMカードを挿しただけではインターネット接続を使うことができません。端末にAPN設定を行うことで初めてインターネットができるようになります。

3大通信会社では、スマホを購入するときにこのAPNが自動的に設定されていましたが、MVNOでは自分でAPN設定する必要があります。

そのため、MVNOの契約後に直ぐに端末でインターネットにつながるようにしたい場合は、Wi-Fi環境に接続してAPNプロファイルを端末にダウンロードできるようにするか、APNの設定方法をメモした紙を予め手元に用意しておく必要があります。

契約の2年縛りがない

3大通信会社の2年縛りほどではないものの、ソフトな縛り自体は存在します。IIJmioの場合は「[12-(利用月数)]x1000円」という解約手数料がありますが、この場合だと1年以上利用すればいつでも無料解約できるようになります。3大通信会社の2年縛りは、スマホを安く使いたい人にはトータル料金面で大きな制約になる場合もあるため、このメリットは注目に値するかと思います。

月額料金は破壊的に安い

これがMVNOの一番のメリットになります。IIJmioの場合は、およそ3,500円のプランでSIMカードが3枚も発行でき、さらに10GBのパケットが共有できるプランまであります。

1枚のSIMにつき5,000円以上かかる3大通信会社と比べると、3枚のSIMでも3,500円程度で済むMVNOの料金には決定的な安さのメリットがありあす。

通話料金の単価は高め

現在の3大通信会社は、基本的には通話し放題のプランとなっているため、事実上通話料は気にしなくて良いものになっています。しかしながら、MVNOの通話料は20円/30秒と割高なものとなっています。

知り合いのような親しい人は、基本的にLINEの無料通話機能などを使えば問題ありませんが、電話番号を使って通話するシーンは0ではありません。この場合に通話料金を気にする必要が出てきます。筆者は、これに対する対応策は3パターンあると考えています。

  1. 「最初の通話◯分だけは無料」というオプションに加入する
  2. 「楽天でんわ」のような低コスト通話アプリを利用する
  3. 050番号のようなIPベースで通話できる環境を整える

「最初の通話◯分だけは無料」というオプションに加入する

筆者はIIJmio以外の詳しい料金体系は調べていませんが、「通話の最初5分だけ通話無料」といったように、一定時間の通話を割り引くサービスを備えているMVNOが存在します。

しかし、このようなオプションは結局料金の追加につながるため、MVNOのメリットを薄めるものではあります。

「楽天でんわ」のような低コスト通話アプリを利用する

「楽天でんわ」や「みおふぉんダイヤル」といったアプリを利用することによって、通話料金を10円/30秒に割り引くことができます。

この仕組みはLCR(ローコストキャリアルーティング)と呼ばれるものになります。電話番号をダイヤルする際に、頭に「通話料金がより安い通信会社の番号」を付加することにより、安い通信会社の電話網を使用し通話を行う事ができます。この機能は一見便利に見えますが、少しばかり使い勝手を犠牲にします。それを受け入れた上で利用すると良いでしょう。

  • (iPhoneの場合)着信履歴からの折り返し発信には対応していない
  • VoLTEによる高音質通話ができない場合がある
  • 一部の特殊番号に発信できない場合がある

050番号のようなIPベースで通話できる環境を整える

そもそも携帯電話向けに付与された070/080/090番号を使わない方法になります。050番号を使うと、データ通信を基盤として音声通話を行う事ができるため、通話料を安く抑える事ができます。特に固定電話に対しては、8.5円/3分という安さで通話することができるようになります。詳細は過去に050番号をスマホで使用する方法に書いたので、そちらをご覧ください。

この方法を採用した場合、データ通信が不安定な環境では通話も不安定になることがあります。特に、山間部でLTEが入らない3Gのみの環境にいる方にはお薦めできません。

次回予告

本当はこの記事で全て書きたかったのですが、多くて書ききれませんでした。

次回は【後編:サービス品質&制約】と称して、サービス品質と制約事項に関するポイントに焦点を当ててみたいと思います。

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