製品レビュー

ウォークマン NW-ZX1 レビュー(音質評価編)

投稿日:2013/12/15 日曜日 更新日:

ネット上で話題になっているハイエンドモデルのウォークマン「NW-ZX1」が12/7に登場しました。前回のレビューでは操作面について書いたので、今回は音質評価に関するレビューを書きます。

評価環境

手持ちのプレイヤー間での音質差を比較するため、評価では同じイヤホンで複数のプレイヤーを使い分けます。以下の機器でレビューを行います。なお、NW-ZX1については、このレビューを作成時点で使用時間は15時間程度になります。そのため機器のエージングも筆者の耳のエージングも十分ではない状態での評価となります。また、所詮は一個人の耳で聴いているだけ故に、結局は主観的な評価になってしまうことを予めご了承ください。

イヤホン

AKG K3003
AKGのハイエンドモデルとして位置づけられるイヤホンです。ダイナミックドライバーとバランスド・アーマチュアドライバーのハイブリッド構成が特徴です。

プレイヤー

Apple iPhone 5S 64GB
スマートフォンですが、実質的に世界で最も使われているオーディオプレイヤーです。ハイレゾ音源には対応していません。

SONY WALKMAN NW-ZX1
我が国日本の電気屋さんSONYがお送りするハイエンドのオーディオプレイヤーです。ハイレゾ音源にも対応。電気屋さんと書きましたが、SONYのIR情報を見るともはや電気屋さんじゃなかったりします。

iriver AK120
韓国のオーディオ屋さんiriverがお送りするハイエンドのオーディオプレイヤーです。ハイレゾ音源にも対応。あまり知られていませんが、iriver社はポータブルオーディオの世界ではかなりの老舗です。

音質評価(CD音源)

44.1kHz/16ビットの、ロスレス音源による音質評価になります。できるだけメジャーな曲で評価を行います。

もののけ姫

スタジオジブリの映画「もののけ姫」の主題歌です。実は、筆者はこの歌をキー音で歌えるのですが、普段しゃべる声とあまりにギャップがあるために、周囲からは気持ち悪いと大変好評でもあります。

iPhone
最初にこの曲から聞いたのですが、実はiPhoneって結構いいじゃんと思っていました。普通に聴けるという感覚でしょうか。

NW-ZX1
iPhoneって結構いいんだなという思いを抱きつつ、次に聞いたのがNW-ZX1になりますが、やはり音質を謳っているだけありiPhoneと圧倒的な違いを感じます。
AK120にも言えることですが、カウンターテノールの声がより艶っぽくなります。中音域の音がもう少し欲しいところです。

AK120
音の印象はNW-ZX1と似たり寄ったりではありますが、中音域の表現がNW-ZX1より豊かになります。少し意識してみると、ボーカルの残響により分があるようにも思えます。

交響組曲「ドラゴンクエストVIII」より「広い世界へ 大平原のマーチ」

ゲームの楽曲です。ちょうどこの音質評価を初めた2日前にスマートフォン版のドラゴンクエストVIIIが発売になりました。PS2版で登場した当時は、アニメ調のドラクエキャラが3Dフィールドを駆け回るのに感動したものです。この楽曲はフィールド移動で使われてる曲になります。

iPhone
もののけ姫と違い、こちらの音源はAK120から先に聴いていきました。ドラクエのオーケストラ録音は、収録するホールのせいなのか、音が引っ込んでこもり気味な傾向になります。iPhoneではその傾向が一番出てしまいました。曲が明瞭にわかるという印象にはなりません。

NW-ZX1
NW-ZX1では、驚くほど高音域の音の表現が見事です。AK120と比べてどちらが良いかとは判断ができませんでした。iPhoneは問題外というレベルに感じさせてくれます。
ただ、ヴィオラのような中音域でオーケストラの音の芯を支える類の楽器については、やはり中音域の表現がもう少し欲しいといったところです。比較した中では、オーケストラが一番近く感じられました。

AK120
AK120では、音のバランスという観点ではNW-ZX1を抜いています。中音域の表現も申し分がなく、落ち着いた感じに鳴らす傾向になります。人によっては鳴り方が物足りなく感じる感じるかもしれません。

音質評価(ハイレゾ音源)

スペックが44.1kHz/16ビットより上の音源の音質比較になります。iPhoneはハイレゾ音源の再生に対応していないため、評価対象にはしていません。

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱」(クラウディオ・アバド&ベルリンル、96kHz/24ビット)

この音質評価では、クラウディオ・アバド指揮&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第九を用います。指揮者のアバドは、体調不良により今年の来日公演をキャンセルし、年齢を考えるともう日本には来ない可能性が濃厚です。残念なものです。

NW-ZX1
合唱の迫力も十分に伝わってきて、さすがハイレゾ音源と思わせる音の表現をしてくれます。NW-ZX1の方では、合唱がAK120と比べて賑やかな感じ思えます。個人的にはこちらの方が好みでした。

AK120
こちらもハイレゾ音源と思わせる音の表現をしてくれるというのはもちろんですが、音の表現はNW-ZX1と若干異なります。こちらはストレートな落ち着いた音の表現になります。

J.S.バッハ:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 BWV1060 (ヒラリー・ハーン192kHz/24ビット)

生演奏の機会はそんなに多くない曲ですが、ヴァイオリンとオーボエが交互に掛け合うなど、なかなか格好良い曲です。海外では96kHz/24ビットの音源が販売されていますが、日本国内ではその倍のサンプリング周波数の音源が出ています。

NW-ZX1
音源のスペックが高いので、音質についてはかなり良いのですが、AK120と比較した場合に明らかに不利になる音源でした。他の音源でも共通し中音域が弱いため、AK120と比べるとほんの少しだけ軽薄な表現に聴こえてしまします。このように書くと、音質が悪いように捉えらかねないのですが、十分高音質です。

AK120
この曲に関しては、AK120の音質が圧倒的と感じました。もともと低音を強調せずに、中音域の表現が求められるような曲なだけあり、中音域の表現力に分があるAK120の音の方が厚みを感じる結果となりました。

「FINAL FANTASY ORCHESTRA ALBUM」より Libeli Fatali(96kHz/24ビット)

ゲーム「FINAL FANTASY VIII」のオープニングムービーで流れていた曲です。主人公のスコールとサイファーが斬り合う、当時では鳥肌モノのオープニングでした。曲調は、オルフのカルミナ・ブラーナの第1曲を意識されたような感じで、FFコンサートでも頻繁に演奏される人気が高い曲です。オーケストラ演奏はポーランドに拠点があるワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団が担当しています。

NW-ZX1
実際に曲を聴いたことがある方はわかると思いますが、この曲はかなり激しい曲調です。フラットな鳴り方をするAK120に比べ、どちらかと言えば賑やかな鳴り方をするウォークマンのほうが、曲の演出力では上でした。

AK120
AK120でも音の表現に関しては十分素晴らしいですが、フラットな鳴り方をする分どこか抑えられた印象があります。ボーカルのリアルさは、こちらのほうが上に感じます。

音質評価総括

NW-ZX1の音質を評価すると、だいたい以下のような傾向になることがわかりました。

  • オーディオプレイヤーの中では高音質
  • 賑やかになる傾向がある
  • 中音域の音は薄め

AK120と比べると、若干音質面は不利かなという感じがします。しかしながら、外で使う用途を考えると細かい部分は外部ノイズで隠れてしまいますし、結局は「好みの世界なので好きなモノを買えば?」という結論になるかと思います。
操作の良さを考慮すると、十分買いなオーディオプレイヤーであると言えるでしょう。

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