iTunesとの親和性とデータ移行を意識したトータルiPhone/iPad管理アプリ「AnyTrans」のご紹介

製品レビュー

iTunesとの親和性とデータ移行を意識したトータルiPhone/iPad管理アプリ「AnyTrans」のご紹介です。

はじめに

最近は有難いことに、当サイトで製品レビューを掲載させていただくことが増えてきました。時代のトレンドも影響し、特にスマートフォン連携に関するものが増えています。

その中でもiPhone/iPadに関するアプリが主になりますが、今回のアプリは数あるアプリの中でも切り口が違います。そのアプリとは「AnyTrans」になります。

iTunesと親和性が高い製品

巷にあふれるiPhone/iPad(以下、iOS端末と表記)管理アプリは、オーディオやビデオ、写真の管理機能だけを切り出したようなものが多く、補完的にiTunesを使おうとすると、意図しない同期がされてしまい結果的に上手く運用できない問題点がありました。

AnyTransでは、iTunesライブラリ側にオーディオ、ビデオ等を転送することで、iOS端末とiTunesで内容の一貫性を保つ事ができます。

やり方は簡単、iTunesのライブラリ側に同期させたい項目を選択するだけです。操作が難しいわけではないので、特に迷うことはありません。

AnyTrans: iTunesとの同期

多彩なインポート・エクスポート項目

AnyTransの特筆すべき点は、多彩なインポート・エクスポート機能になります。インポート・エクスポートできる項目は13種類にもなります。

  1. オーディオ
  2. ビデオ
  3. 写真
  4. Safariブックマークと履歴
  5. ファイルシステム(USBメモリに相当する機能)
  6. ブック
  7. ポッドキャスト
  8. iTunes U
  9. メモ
  10. 留守番電話(iPhoneのみ)
  11. メッセージ(SMS/iMessageなど)
  12. 連絡先
  13. カレンダー

他社のiOS端末管理アプリで対応可能な範囲は、一般的に1から3になります。AnyTransではさらに10種類も多い項目のインポート・エクスポートに対応しています。項目によってはエクスポートだけでき、インポートには対応していないものもあります。

AnyTrans: インポート・エクスポートのカテゴリ

メディアファイルに精通していない人でもOKなインポート機能

iOS端末では、メディアファイル再生の制約が厳しく、ネット上に流通しているメディアファイルをそのままiTunes経由で転送できないことが多々あります。通常は、自前でメディア変換をする必要がありますが、AnyTransではメディア変換を自動で行う機能が備わっています。画像はaviファイルの変換例になります。

AnyTrans: aviファイルの変換例

筆者が確認したところ、オーディオ・ビデオ共にメディア変換機能がついており、初心者に対してかなり配慮されている印象を受けました。大まかではありますが、手元の環境では以下のファイル形式の変換可否を確認できました。

種類 変換可 変換不可
オーディオ wma (lossy) wma (lossless)、ogg
ビデオ wmv, avi webm

メディアファイルに詳しい方ならおわかりいただけるかと思いますが、変換不可だったファイルは自分から意識しない限り、それほど入手する機会はありません。よって、インターネット上で流通しているメディアの殆どが、AnyTransでカバーできると判断しても大丈夫かと思います。

ブックのエクスポートはDRMの制約で電子書籍が読めない可能性あり

ブックに関しても、他の機能と同様エクスポートが可能になります。ただし、iBooksで購入した電子書籍はDRMで著作権保護されているため、エクスポートできたとしてもPCで閲覧することができません。

これは、ブックに限った話ではなく、ビデオにも当てはまることなので、制約事項として考慮する必要があります。

筆者の環境では、電子書籍アプリcalibreで開こうとした際にDRMの警告が出て、iBooksで買ったものを閲覧することができませんでした。

AnyTrans: DRMがある電子書籍は開けない

iCloud連携項目のエクスポートは一手間必要

今まで書いてきたように、あらゆるものをエクスポートできるAnyTransではありますが、iOS端末側の制約上どうしてもすんなりと扱えない項目があります。それがiCloud側で情報が管理されている以下の項目になります。

  1. Safariブックマークと履歴
  2. メモ
  3. 連絡先
  4. カレンダー

AnyTrans: iCloud連携解除のチュートリアル

これらの項目はサードパーティ製アプリから直接アクセスできないようにセキュリティがかかっているため、いったんiCloudとの連携を切り、保有している情報をiOS端末上のみにする必要があります。具体的にはiOS端末上の「設定」→「iCloud」から各種機能の連携を切る必要があります。

もしAnyTransからデータが参照できない場合は、iCloud連携を外す方法が書かれたチュートリアル入りのダイアログが表示されます。それに従えば良いだけなので、特に迷うことはないでしょう。

AnyTransならではの端末間の一括データ転送

一括データ転送

ちょうどこの記事を執筆している時点では、iPhone 7が発売されて間もない時期になります。そのようなご時世だと、多くの人が気になるのはデータ移行ではないかと思われます。

AnyTransでは特にデータ移行に関する機能が重視されており、以下の3つの機能で対応することができます。

  • デバイスをクローン
  • デバイスをマージ
  • デバイスへ

若干似ている機能なので、端末AとBに以下のデータが入っていると仮定した解説をします。

  • デバイスAに入っているデータ:abcdyz
  • デバイスBに入っているデータ:efghyz

デバイスAからデバイスBに対し、以下の機能を使った場合のデバイスB側の中身:

機能 デバイスB側の中身 コメント
デバイスをクローン abcdyz デバイスAの中身だけ残る
デバイスをマージ abcdefghyz デバイスAとBの中身が残る(データ重複なし)
デバイスへ abcdefghyyzz デバイスAとBの中身が残る(データ重複あり)

実際の使い方は、上記のモードを選択し移行するデータの種類を決定、あとは自動でデータの移行が行われます。
AnyTrans: デバイスをマージの画面例
これらの機能を利用するにあたり注意点があります。デバイスをクローン及びマージでiOS端末にインストールされたアプリのデータを転送する場合、転送先のiOS端末に元デバイスと同じアプリを予めインストールしておく必要があります。

移行前に読んでおくべきガイド

この件についてはiMobile社が移行ガイドを用意しています。かなり親切なガイドになっていますので、そちらも合わせてご覧になると移行で痛い目にあうリスクを減らすことができます。

ガジェット好き&アプリをオールインワンにしておきたい方にお勧め

AnyTransには、これまで書いてきた以外にも様々な機能がありますが、すべてを伝えようとすると情報が膨大でかえってわからなくなるため、本レビューはこれくらいにしようと思います。

前述の通り、AnyTransでは「iOS端末-PC間」や「iOS同士」のデータ移行が行え、さらに移行するデータは「個別か」「一括か」など、細かいレベルで指定することができます。

複数端末を持てば持つほど、iOS端末間データの一貫性を保つのが難しくなるため、AnyTransは複数端末を使うガジェットの方にお勧めと言えます。

また、AnyTrans自体の機能が多いため、どんな端末管理アプリを使えば良いかわからない方にもお勧めします。機能が多いと最初は迷うかもしれませんが、一度慣れてしまえばさほど難しくなりません。

AnyTransの詳細情報

動作環境

OS:Windows 10, 8.1, 8, 7, Vista, XP (64ビット & 32ビットの両方)
Mac OS:macOS Sierra / Mac OS 10.11 / 10.10 / 10.9 / 10.8
iOS:iOS 10 / 9 / 8 / 7 / 6 / 5
※iOS 8.3以降のOSでは、iOSの仕様変更により「App」機能をご利用いただけません。
(iOSは8.3以降ファイルマネージャアプリからAppsディレクトリにアクセスできない仕様に変更になりました)
モニター:1024×768 ディスプレイ以上
CPU:Pentium IV 2.4 GHz 以上
RAM:512MB以上
グラフィックカード(ビデオカード):3Dグラフィックアクセラレーション機能、64MB以上
サウンドカード:Windows(Machintosh)と互換性のあるサウンドカード
ハードディスク:100 MB以上の空き容量
その他:iTunes 9.0以上、iTunesモバイルデバイス ドライバーがインストールされていること

対応機種

iPhoneシリーズ:iPhone 3G / 3GS, iPhone 4 / 4s, iPhone 5 / 5c/ 5s, iPhone 6 / 6plus, iPhone 7 / 7 Plus
iPadシリーズ:iPad, iPad 2, 新型iPad, iPad 4, iPad mini, iPad Mini(Restinaディスプレイモデル), iPad Air
iPod shuffleシリーズ:iPod Shuffle 1, iPod Shuffle 2, iPod Shuffle 3, iPod Shuffle 4
iPod miniシリーズ:iPod Mini 1, iPod Mini 2
iPod nanoシリーズ:iPod Nano 1, iPod Nano 2, iPod Nano 3, iPod Nano 4, iPod Nano 5, iPod Nano 6, iPod nano 7
iPod classicシリーズ:iPod Classic 4, iPod Classic 5, iPod Classic 6
iPod touchシリーズ:iPod touch 3, iPod touch 4, iPod touch 5

対応形式

ムービー:MP4, M4A, MOV, WMV, AVI, FLV
ミュージック:MP3, M4A, MP4B, WMA, WAV
ミュージックビデオ:MP4, M4V, MOV, WMV, AVI
ポッドキャスト:MP3, M4A, M4V
着信音: MP3, M4A, M4R, WMA, WAV
テレビ番組:MP4, M4V, MOV, WMV, AVI
オーディオブック:MP3, M4B, MP4A,WMA, WAV
ボイスメモ:MP3, M4A
iTunes U:MP3, MP4, M4V, WMA, WAV
iBook:PDF, EPUB
写真:JPG, PNG, GIF, BMP
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