HDP-R10レビュー(音楽プレイヤー操作編)

※10月23日に画像を追加しました

HDP-R10を使ってある程度使ってみましたので、音楽プレイヤーの使い勝手について書いていきます。
音質評価はまだ聴きこんでいませんので、しばしお待ち願います。

再生ファイル形式にはまず困らない

絶賛するべきが、HDP-R10のファイルの対応度です。
MP3のようなファイル形式はもちろんのこと、音質を重視する人が使うであろうFLACやALACなどのロスレス形式に対応しているほか、DSD(DSFに限る)も再生ができるかなりのキワモノ仕様です。

少し気になったのが24bitのALACを再生すると、プレイヤー側で音源情報が32bitと表示されます。表示は32bitでも、全く問題なく再生できているので、単に表示の問題だけかもしれません。

画像の左がALACの再生、32bit音源と認識されています。右はDSDの再生、24bit/88.2kHzに変換して出力されています。

クセのあるインターフェイス、慣れればなんとかなる?

9月6日更新

色々なポータブルプレイヤーでは、アルバムやアーティスト単位で曲を分類して再生させることができ、もちろんHDP-R10のプレイヤーでも同じような操作ができます。そのため、iPodやウォークマンなどの製品を使ったことがある人であれば、操作に迷うことはありません。

音楽は「アルバム」「アーティスト」「ジャンル」「プレイリスト」の4種類で分類して表示することができます。
分類のメニューが横にスクロールできる仕様のようです。「お気に入り」「すべての音楽」「フォルダ」「検索」が選べます。

なかでも「アーティスト」の表示が少々難ありです。他製品ではアーティストを選ぶと、そのアーティストの曲一覧が表示される動きをしますが、HDP-R10ではアーティストを選ぶと、そのアーティストのアルバム一覧が表示される動きをします。さらにそこから再生したい曲を選択します。
実質的にアルバムを選択していることに変わりなく、意味のないメニューです。

左は「アルバム」「アーティスト」「ジャンル」「プレイリスト」の表示、ここのメニューを横にスクロールさせると、右のように「お気に入り」「全ての音楽」「フォルダ」「検索」が表示されます。
メニューがスクロールできることになかなか気が付かない仕様です。

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音楽ファイル追加後は我慢が必要

音楽ファイルの追加後には、1分間程度のファイルスキャンが行われます。この間はプレイヤーの操作が不可になります。

ネット情報によると、ファイルスキャンだけで完全にデータを読み込めるわけではないらしく、スキャン後にもしばらくの間バックアラウンドで読み込み処理が行われるそうです。この間は、プレイヤーの動作が極めて不安定になるため、放置が推奨とのことです。

レスポンスには不満有り

ハードウェア性能は非力と言うしかなく、この非力さから失われる快適さが多くあるように感じます。

その代表的なものが、再生する音楽ファイルをタップしてから再生されるまでの時間です。音楽ファイルが再生されるまで、タップされてから3、4秒もかかります。バッファリングに時間がかかっているのだと思われます。

ユーザインターフェイスの調査で、ユーザがWebページのリンクをクリックしてから、ページが表示されずイライラし始めるのが2秒程度という数字があります。これが音楽プレイヤーに完全に当てはまるわけではありませんが、レスポンスが返ってくるまでに3、4秒という時間は、これらを総合すると実はかなり遅い数字だったりします。

容量の多さは圧倒的

9月8日更新

HDP-R10は、内蔵フラッシュメモリを64GB積んでおり、外部メディアとしてmicroSDを使うことができます。

microSDは大容量規格のSDHCとSDXCがあり、前者であれば最大32GB、後者であれば現行品で64GBの容量追加が可能です。
合計で96〜128GBの容量が確保できるわけなので、空き容量をまず気にすることがなく大量にファイル追加が行えます。
ロスレスファイルを入れるとファイル容量が必然的に肥大化するため、これは非常に魅力的な点でした。

画像のようにSDカードは合計容量が59.45GB、内蔵メモリ(NAND Flash)が60.68GBと認識されています。厳密には合計128GBにならないですが、他にこれくらいの大容量を確保できるプレイヤーはHDDを採用しているポータブルプレイヤーくらいです。

ただmicroSDXCを使う際は、ファイルシステムのフォーマットをFAT32にする必要があります。Windows 7の場合、OSの標準機能でFAT32のフォーマットができないため、Disk Formatterのような専用ツールでフォーマットをすることになります。

また、microSDにデータを転送する際に、HDP-R10本体経由でデータ転送する方法と、一旦カードリーダー経由でデータを転送する方法がありますが、データ転送は後者を使った方が良いでしょう。前者はデータの転送速度が1MB/sだったのに対し、後者では10MB/sと圧倒的な転送速度になりました。

 

曲情報の表示は少し工夫が欲しい

通常音楽ファイルでは、ファイルを再生すると曲データに埋め込まれたタグを表示します。
その動きはHDP-R10でもほとんど変わらないのですが、若干の表示の工夫が欲しいところでした。

画面から表示がはみ出てしまう曲について、曲名表示が尻切れになる現象が発生します。
せめて曲名の部分だけスクロールさせて、曲名全体を把握できるようになるなどの配慮があればもっと良かったかもしれません。

左が曲再生中の表示、情報が表示しきれない場合は尻切れ表示にされます。右は曲一覧での曲名表示、ファイル名をスクロールしないので何が何だかわかりません。

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我慢できないポップノイズ

製品の使い勝手は慣れれば何とかなるものです。しかし、一番我慢できない仕様がポップノイズが出ることでした。
再生が停止されて画面表示が消えて省電力状態になっているときに、サイドボタンを押して再び画面を表示させるとその瞬間にイヤホンからポップノイズが鳴ります。
ポップノイズが乗るような状況は、HDP-R10を使っている間はいつだって起こり得る状態なので、発生頻度は高いです。

イヤホンのインピーダンスやゲインの強さ(本体の物理スイッチで切り替え)によりポップノイズの大きさは変わってきますが、低インピーダンスのイヤホン(≒多くの人が使っているタイプ)で、ゲインつまみを大きくした状態だとかなり大きいポップノイズが発生します。このレベルになると、鼓膜を刺激しすぎて難聴になるのではと感じさせるくらいでした。

こちらもネット情報によりますが、Wi-Fiをオンにした状態だとポップノイズを防げるとの事ですが、Wi-Fiをオンにすると電池の減りが早くなるというデメリットが発生します。また、Wi-Fiに関するプロセスが音楽再生に影響を与える可能性もあります。そのため、ポップノイズのためだけにWi-Fiをオンにしておくというのはメリットがありません。

バッテリーの持ちのために再生停止は忘れずに

9月18日追加

iPodやウォークマンでは再生中にイヤホンを抜くと再生が自動的に停止しますが、HDP-R10ではそうなりません。
そのため、一時的に使わないためにイヤホンを抜いた場合、再生を停止する操作が必要になります。これを忘れるといざ使おうと思った時にバッテリーが大きく減少してしまいます。

コメント

  1.   より:

    >あと「フォルダ」の分類もあれば、使い勝手がだいぶ変わってきていたように感じます。

    プレイリストの右の方に、フォルダなどもあると思うのですが、それではいけないのでしょうか?

  2. 匿名 より:

    上の方も書いていますが、
    プレイリスト等が表示されているところは横にスライドでき、
    お気に入り、全ての音楽、フォルダ、検索 が出てきます。
    あとうちの環境だと最初はポップノイズ出てたんですが、
    気付いたら出なくなってました。Wifiオン等はしてません。
    基本mp3視聴でアップサンプリングのみ、
    画面の明るさは初期より暗くして、自動回転をoffにしています。

  3. katgum より:

    >  さん
    ご指摘をうけて「フォルダ」項目があることを知りました。
    これはなかなか気が付かないですね。
    レビューを訂正します。

    >匿名さん
    ポップノイズが出ない環境、うらやましい限りです。
    こちらも自動回転はオフにしているので、違いは画面の明るさとアップサンプリングでしょうか。試してみたいと思います。

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