ハイレゾ音源は再生の敷居が結構高いことが今までの調査で分かりましたが、最近e-onkyo musicからサラウンドのハイレゾ音源配信が始まりました。しかもフォーマットでTrueHDを選択できます。これは世界初です。キワモノの臭いがたまらないので、少し迷った挙句アルバムを1つ購入してみました。
当サイトの「ハイレゾ音源のオーディオを楽しむ」シリーズは、あくまでもPC上で再生をすることに重点を置いていますので、今回もその視点からアプローチしていきます。今回の調査内容は2012/07/27時点のものです。時が変わって色々な制約事項が無くなっている可能性もあります。
ドルビーTrueHDとは?
TrueHDとは、ドルビーデジタルで有名なドルビーが開発した可逆圧縮フォーマットで、Blu-rayビデオの音声トラックに使われています。
DVD-Audioで使われていたMLP Losslessの機能拡張をした規格にあたります。
Blu-rayを考慮しているだけあり、マルチチャンネルでハイレゾな音を収録・再生できるように作られています。
TrueHDをまともな環境で再生するには
e-onkyo musicによると、以下の方法でTrueHDの再生方法を解説しています。
- TrueHDファイルをUSBメモリに入れてONKYO製のAVレシーバーで再生する
- TrueHDファイルをネットワーク経由(NAS/Windowsの共有フォルダ)でONKYO製のAVレシーバーで再生する
いずれもONKYO製のAVレシーバー経由で再生する必要があり、パソコンで直接再生する方法が書いていません。大人の事情の臭いがしないこともないです。
ドルビーTrueHDをPCを使ってフリーソフトで再生してみる
TrueHD再生を謳っているメディアプレイヤーがあるので、再生できるか試してみました。
結果から書いてしまうと「そこそこまともに再生できるのはfoobar2000一択、しかも面倒」となります。
メディアプレイヤー | 再生結果 |
---|---|
foobar2000 + DVD-Audio Decoder | 再生OK、制約あり ※詳細は後述 |
Winamp + MLP/TrueHD Decoder | 再生できない |
VLC media player | 再生できるけど、たまにノイズが乗る |
foobar2000 によるドルビーTrueHDの再生
そこそこまともに再生できるのがfoobar2000でした。操作がかなり快適にできるかというとそうではなく、ある程度の制約がありました。まずは下の画像をご覧ください。
トラックが4つ表示されていますが、これは2つのTrueHDファイルをプレイリストに登録した時の画面です。つまりTrueHDファイル1つにつき2トラック表示されるということになります。
TrueHDでは規格上ステレオダウンミックスが許可されているため、foobar2000ではサラウンドのトラックと、ステレオダウンミックスをしたトラックの2つが表示されているものと思われます。
クセモノなのがサラウンドのトラックです。こちらのトラックだけノイズが流れてまともに再生できませんでした。
それに対してステレオダウンミックスのトラックは再生ができますが、プレイヤー右上にあるシークバーでまともに操作できない現象を確認しました。
以上より、foobar2000でTrueHDを”そこそこまともに再生する”方法は以下の通りになります。
- プレイリストにTrueHDファイルを登録する。
- サラウンドのトラックはリストから消去し、ステレオダウンミックスのトラックのみ残す。
- シークバーによる再生位置を指定する操作は行わない。
これさえ守れば、ステレオではありますがTrueHDがフリーソフトで再生できます。
ちなみに、DACをつなげてASIO出力してしまえば、DAC側では音源ファイルのサンプリング周波数でデコードを行ってくれるようです。
最後に、参考までにTrueHDファイルのファイル情報を載せておきます。
チャンネル数が多く、しかもハイレゾ音源であることからビットレートが高くなっています。
今回の音源データは、CDアルバム1つ分で容量が4.3GBありました。
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